カルチャー

ホリエモンがベーシックインカムを支持するウラの理由

最低限の生活ができる程度のお金を所得水準にかかわらず全国民に配布する政策、ベーシックインカム(以降BI)が最近話題です。

多くの論者が支持しているのですが、注目したいのは堀江貴文氏を始めとした、成功した起業家も多く支持しているということです。

BIを支持する成功した起業家達

堀江氏の他には2ちゃんねるの創設者の西村博之氏、iモードの生みの親である夏野剛氏なども基本的に支持しています。

多くの経済学者によると、ベーシックインカムとして適切な額はだいたい月8万円程度と言われています。

資産家である堀江氏や西村氏などにとっては、8万円なんて額はゴミみたいなものだろうし、財源を確保するために基本的にお金持ちの税金は上がるはずなのに、なぜこの政策を支持するのでしょうか。

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ホリエモンがBIを支持するウラの理由

実はベーシックインカムは起業家や資産家にもメリットがあります。彼の過去のブログにははっきり書いてあるのですが、

それは、企業が必要なくなった人員を解雇しやすくなるということです。

これまでの生活保障は企業が担ってきました。年金も健康保険も半分企業が負担していて、雇用保険も7割以上は企業負担です。また、どんなに業績が悪くても、基本的に従業員を解雇できません。

しかし、ベーシックインカムで最低限の生活保障ができるのなら、企業に国民の生活保障をさせる必要はなくなります。

なので、解雇規制はなくなるはずです。

ということで、企業側にとってみれば、雇いたい時に雇い、クビにしたい時にクビにする、という夢のような環境になるということです。

このおかげで柔軟にすばやくビジネスを展開できるので、起業家にとっても好都合です。そしてそのような企業の株を持つ資産家にとってもありがたいのです。多少税金が高くなってもこちらのメリットの方が大きいと考えているのでしょう。

BIは生活保障よりも産業政策として語るべき

今更言うのもあれですが、私もベーシックインカムを支持する一人です。

なぜ、ベーシックインカムが本格的に政治的な議題にならないかというと、生活保障や格差是正の側面からばかり議論されてきたから、と考えています。

確かに、ベーシックインカムは貧困層の助けになります。特に生活保護支給額より低い賃金で働いている人(国民の13%もいる)などのワーキングプアの方々にとってみれば、非常に助かるのではないでしょうか。

ですが、多くの論者はそのような貧困対策、格差是正など、弱き者を助けるという論法を用いすぎです。

これでは、逆にエスタブリッシュメントからの反感を買ってしまうのです。共産党アレルギーにも近いものですが、努力したからこそ今の地位や財産がある、と考えている人にとっては、弱きものを助けるというのを殊更に主張するのはどうしても、反発したくなってしまうものです。

なので、ベーシックインカムはもっと産業政策としてのメリットを主張するべきです。

新しい産業がたくさん育ち、それによって国に富をもたらす。そうすれば、エスタブリッシュメント側にとっての富も増える、と主張することで、彼らも巻き込むことができるはずです。