GMの長谷川さんがオススメしていたので読んでみました。
読んだ目的は、
- 無駄なことをしないようにするためにはどうすればいいか
- モチベーションをあげる
- 長谷川さんの考え方を真似る
です。
あまり体系的にまとめられている本ではなく、羽生さんのエッセイやインタビューをかき集めた本のようで色んな事を言っているので、説明しづらいのですが、「何を捨てるか」に焦点をあてて、勉強になったことをご紹介します。
もくじ
いったんデータを捨ててみる
羽生さんのアイディアの検証は、
- 検証
- 実行
- 検証(反省)
という流れで進みます。
当たり前なのかもしれませんが、将棋の棋士も対戦相手の過去のデータなどを大量に分析したりするんだ、科学的なんだと思いました。
まず「1.検証」にて、量的なデータを整理整頓、取捨選択、まとめる、といった作業をします。その中で、調べていくうちに、頭を使うので、輪郭が見えてきてアイディアが生まれます。
しかし、この時、データにとらわれすぎて、先入観でアイディアがでてこない時があります。そういう時は、データを忘れて、主観で考えるようにします。
つまり、「データ」を捨ててみるということです。
また、大量のデータにばかり頼るのではなく、少ない情報からいかにたくさんのものをすくいあげるか、というのも大事になってきます。
これは本の中では、アメリカとフランスのワイン業者の違いで例えられていました。アメリカはワインは大量のデータを駆使して統計的に良いものを作るらしいです。それに対して、フランスはワインの職人が直感的に判断してつくっていくらしいです。
勝ちたいという欲望を捨てる
せっかちに勝つことばかり考えると伸びが止まってしまうことがあります。そんなときは、純粋に何か面白いことを見出そう、面白い状態に持って行こうとすることが大事です。
結果でなく内容に面白さを見出したりするのもいいです。
何か発見することが楽しさ、面白さ、幸せにつながり、集中力を高めます。その結果、継続できるのです。
伸び悩んでいるときにこそ、本当に好きかどうかが試されるということです。
愛着のある手を捨てる
時間をかけて研究した手を捨てるのはなかなか難しいですが、捨てることも大事です。選ぶよりも「いかに捨てるか」が大事です。人は捨てたほうの選択肢について後悔しがちなのですが、仮にそちらを選択したとしてうまくいったとは限りません。人は選択しなかったものに対して楽観的になりがちなのです。それを踏まえて判断をしていきます。
不安を捨てる
なかなか結果がでないと、この方向でいいのか、と不安になります。ですが動じないことが大事です。そこで方向性を変えてしまうと、いいところまできていたのに、ということになりかねません。
どれだけ不安な時間に耐えられるか、というのが大事になってきます。そのために、「モノサシをたくさん知る」ことが大事です。
これだけがんばればこれだけの成果がある、というのを小さなところから積み重ねるだけでも違います。また、前例から学ぶのもありです。先人や歴史上の人物などです。
いかに省略するか
省略できるようになるためには、たくさんの経験が必要です。
あえて、手間がかかるようなことをやることも大事です。同じことを繰り返してもしかたありません。
そして、経験で終わらずに、きちんと結果を検証(反省)することが大事です。
そしてそこから生まれるアイディアは、美しさやロマンのようなものが大事です。
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自分の立場を捨てる
ときには対戦相手の立場になって考えてみます。
定跡をすてる
定跡はまず繰り返し真似てみることで理解できるようになります。そして自分の独自性を加えることで価値がでて知恵になります。
ただ、ときには定跡を手放して発想してみるスイッチを入れるのも大事です。
そして無理やり自分の頭で考えざるをえないような状況に追い込みアドリブ力、適応力を鍛えるの必要がります。
今温存してる力を捨てる
温存している力は早めに使い切った方がいいです。使えるピークはすぐに終わってしまうことが多い。
欠点をすてる
欠点は裏返すと一番の長所だったりします。
その他印象にのこったフレーズ
- 行き詰まったら整理整頓
- 器が大きければプレッシャーはかからない
- 感性を磨くなら他の職種の人と話す
さいごに
このブログを書いている途中で、この本の良さがわかってきた気がします。
たくさんのデータや経験を検証してアイディアを作っていくのが大事なのは大前提としてあるが、データや経験を忘れてみて直感や美意識に基づいて判断してみることも大事ということ。両者のバランスをとる必要があるんだと思いました。
直感や美意識というのは、あまり勝ちにこだわって計算高くなったりせずに、その瞬間瞬間で面白いことを探していくことで磨かれていく、ということなんだと思います。
なので、自分の今後の作業の中でも、どう面白いのか、いかに美しくできるか、ということにも注目してやっていこうと思います。