「グロービスMBAマネジメントブック改訂3版」を読んだので、勉強になった点を中心に要約と感想をお伝えします。
要約
マーケティング
リサーチには仮説が必要
リサーチするなら仮説をたててやらないと、有益な結果が得られない可能性高い。
コンジョイント分析
コンジョイント分析という手法で購買主要因( KBF Key Buying Factor )を数値化することができる。
セグメンテーション
大きく4つの切り口がある。以下59ページから引用。
ターゲティング
選定には6Rに注意する。
- Realistic Scale(有効な市場規模)
- Rate of Growth(成長性)
- Rank/Ripple Effect(顧客の優先順位/波及効果)
- Reach(到達可能性)
- Rival(競合状況)
- Response(反応の測定可能性)
アカウンティング
5段階の利益
名称 | 計算式 | 補足 |
---|---|---|
売上総利益 | 売上高 ー 売上原価 | |
営業利益 | 売上総利益 ー 販売費および一般管理費 | 人件費・広告宣伝費・本社建物の減価償却などが考慮される |
経常利益 | 営業利益 + 営業外収益 ー 営業外費用 | 受取と支払いの利息など財務活動が考慮される |
税金等調整前当期純利益 | 経常利益 + 特別利益 ー 特別損失 | 新制度導入による臨時的な利益や損失が考慮される。 単体のPLでは税引前当期純利益という。 |
当期純利益 | 税金等調整前当期純利益 ー 法人税・住民税および事業税 ー 少数株主利益 |
「ウエケゼト」と覚えましょうw
当期純利益で、少数株主利益を引いている意味がわからなかったのですが、連結する際に、100%保有でない子会社についての利益は、他の株主の持分なので引いているということみたいですね。
総合力分析:ROAとROE
115ページのチャートを引用。
なお、ROAの場合は、分子の利益には経常利益やEBIT(支払い利息および税金控除前利益)が使われることもあるとのこと。
損益分岐点分析
限界利益 ー 固定費 = 利益
(限界利益 = 売上高 - 変動費)
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
(限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高)
損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 現在の売上高
損益分岐点比率が低いほど経営が安定していると言える。
投資家の注目ポイント
EPS(Earnings per Share:一株あたり利益) | 税引後当期純利益/発行済株式数 |
PER(Price Earning Ratio :株価収益率) | 株価/EPS |
PBR(Price to Book Ratio :株価純資産倍率) | 株価/一株当たり純資産額 |
この辺は非常に覚えにくいですね。
株価収益率ってい名前がわかりづらいと思います。響きとして、分母が株価で分子がEPSのようにに聞こえちゃいますね。要は株価をEPSで割っているのだから、「EPSあたり株価」とかのほうがわかりやすくないか?
あと、PBRの方も考え方は同じなのに、英語に「to」が入っていたり、「倍率」という言葉だったりとなんか統一感がありませんが、ネットで調べるとtoはあってもなくてもいいようですね。「倍率」はやはり「倍率」のようです。
また、PERは「高いと割高(つまり低いと割安)」と表現されているのに、PBRは「低いと危険信号」となっているのがよくわかりませんでした。
PBRも低いと割安ということなのではないでしょうか。
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ファイナンス
市場の効率性
「効率的市場仮説」には3フォームあることを知りました。
名称 | 定義 | 恒常的利益の上がらない取引実例 |
---|---|---|
ウィークフォーム | 過去の資産価格や収益率のデータに基づいた取引ルールでは恒常的に利益をあげられない | 株価チャートなどのテクニカル分析に基づく取引 |
セミストロングフォーム | 世間に公表されている情報であれば何でも、その情報に基づいた取引ルールでは恒常的に利益を上げられない | 情報端末や経済誌、新聞やテレビの経済ニュースに基づく取引 |
ストロングフォーム | 非公開情報を含むあらゆる情報に基づいた取引ルールでは恒常的に利益を上げられない | 企業のインサイダー情報やアナリストの企業ヒアリング分析結果に基づく取引 |
さすがにインサイダー情報使えば利益上がりますよね。
また、公開情報だけでも儲かっている人もいるみたいなので、ウィークとセミストロングの間くらいが実態ではないでしょうか。
ゲーム理論・交渉術
枠付け(フレーミング)
高額な商品なのに、「1日あたりに直すとコーヒー一杯分」と表現すると安く感じる。
感想
入門書に比べるとかなり詳細で網羅的な内容になっていると感じました。
他の本に出てくる専門用語や経営者間で語られる聞きなれないボキャブラリーはこの本を見ればだいたいわかりやすく説明されています。
ただ、辞書的には非常に使いやすいのですが、概念の説明にとどまっているため、これから起業しようという人が何から始めればいいのか、という疑問に答えてくれる本ではないです。多少なりとも経営を始めて、わからないことが出てきたころに勉強するには最適な本だと思います。
個人的には、コンジョイント分析は簡単な検証で有益な結果が得られそうなのでやってみようと思いました。
また、フレーミングはセールスライティングで使ってみようと思います。