佐藤義典さんの「ドリルを売るには穴を売れ」を読みました。勉強になった点を中心に、要約と感想をお伝えします。
要約
4つの理論体系
- ベネフィット
- セグメンテーション・ターゲティング
- 差別化
- 4P
これらを意識して自分が何かを買った時、あるいは、買わなかった時の心の動きを分析するだけでも生きた教材になる。
ベネフィット
ベネフィットは「顧客にとっての価値」のこと。
価値の不等号を維持・拡大する
価値がそれをえるための対価より大きいことが大切。
価値 > 対価
を維持、拡大することが大事。
もちろん対価には、価格以外の顧客が負担する手間なども含まれる。
価値には2種類ある。
機能的価値
食べ物で言えば、早い、便利、うまい(はやべんうまい)のこと。
情緒的価値
価値とは人間の欲求をかなえること。
欲求は、よく言われるのが、マズローの欲求5段階説がある。
ただ、5つは覚えづらいので、アルダファー氏が簡略化し、ERG理論とした。
Existence | 生存 | 生存欲求 |
Relatedness | 他人との関係 | 社会欲求 |
Growth | 成長 | 自己欲求 |
本には書いていないが、機能的価値は生存欲求に含まれると見てもよさそう。
セグメンテーション・ターゲティング
人口統計的セグメンテーション
年齢や性別や家族構成などで分ける。
心理的セグメンテーション
普及過程で分けたりもする。例えば、アーリーアダプターやレイとマジョリティなどの分類。
また、ベネフィット別に分けたりもする。
二つのセグメンテーションをつなげる
人口統計的セグメンテーションと心理的セグメンテーションをつなげることが大事。
例えば、「60代以降の可処分時間が多い層」など。
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差別化
本では書かれていないが、差別化は一般的にはポジショニングに相当すると思う。
差別化は3つの種類がある。
- 手軽軸
- 商品軸
- 密着軸
商品軸は開発部が強い会社が向いている。密着軸は営業重視の会社が向いている。
4P
4Pは、ベネフィット、セグメンテーション・ターゲティング、差別化と一貫していることが大事。
その他
アンケートでは、「他店じゃなくて、うちに来る理由」というのがいい。そして店側はそのくる理由を意識し、全てを一貫させることが大事。
感想
4つの理論体系には、調査に該当するところがないのがちょっとものたりない気がしました。エピソードの中で、他店の調査やアンケートなどはしていましたが、あまり体系的ではありませんでした。
ただ、マーケティングには「一貫性」が非常に大事だということが理解できた本です。
そして一番大きかったのが、自分の購買行動を分析するのが勉強になるということです。今後自分が何か買った時、買わなかった時は、この理論体系で分析しようと思います。