Macでの検索順位チェッカーの利用はWindowsに比べて悩ましいです。どのように選べば良いのかと各ツールの特徴をお伝えします。他のブログではあまり触れられていない、1キーワードにかかる金額の比較や、歴史の長さの違いについても説明しています。
もくじ
定番のGRCはMacに公式には対応していない
圧倒的な歴史がある定番のツールはGRCです。
このツールの歴史を調べたところほとんど情報がないのですが、Wayback Machineにて確認したところ2004年にバージョン1.0が出ています。
しかも、最初はフリーウェアで完全に無料で使えていました。
20年以上の歴史があるGRCですが、Windowsにしか対応していません。
なぜかはわかりませんが、Macが優勢なデザイナーやWEBプログラマー界隈に対して、アフィリエイト業界はWindowsが優勢だった印象があります。最近はその垣根が崩れてきていていて、Macを使うアフィリエイターやブロガーも多くなってきいる印象です。
Windowsのユーザーは黙ってGRCを使えばいいので、悩むことは少ないです。しかし、Macのユーザーはベストプラクティスを見つけるのに孤独に苦労するでしょう。
「公式には対応していない」としたのは、実はMacで使う方法もあるためです。それについては後述します。
インストール型 VS クラウド型
検索順位チェッカーは大きく分けて二つあります。
手元のMacにインストールして使えるインストール型と、サーバー側で動くクラウド型です。
インストール型でMacに対応しているものはかなり限られます。しかし、クラウド型はブラウザで表示するので、MacでもWindowsでも使えるため、Macユーザーにとっても選択肢が多いです。
それぞれ良いところがあります。
インストール型は毎回Macを起動する必要がある
大量のキーワードをチェックするとなると、処理にそれなりの時間がかかるのですが、そのために検索順位チェッカーを起動する必要があります。
なので、インストール型の場合、チェック処理を動かす度にMacを起動する必要があります。24時間Macを起動しっぱなしの方なら問題ないでしょうが、そんな方はまれでしょう。
クラウド型であれば、常に動いているサーバー側で自動的に処理を動かしてくれています。
インストール型は一つの端末からしか参照できない
インストール型は一つのMacで動かすので、その端末でしかデータを確認することができません。
クラウド型なら、ブラウザでデータを見ることができるので、複数の端末から確認もできるし、スマホからも見ることができます。チームで作業している場合は恩恵が非常に大きいです。
インストール型はデータを他人に見られる心配は無い
あなたが狙っている検索キーワードの情報は貴重なデータです。特にライバルには絶対に知られたくないのではないでしょうか?
インストール型であれば、Macをハッキングされない限り、基本的にデータが他人に見られることはありません。
それに対してクラウド型はどうかというと、不安が残ります。公にユーザーのデータを二次利用すると規約に明記しているツールもありますし、逆に絶対にデータを利用しないと規約で約束しているツールもあるでしょう。でもそんなの信用できますか?
ここは生馬の目を抜くような厳しい業界です。業者側でこっそりデータを見て、ライバルとなるようなサイトを作られても何も証拠は無く、泣き寝入りになるでしょう。
そんな心配を最初からしなくて良いのは、インストール型の大きなメリットです。
ただ、SERPOSCOPEのように、クラウド型でも自分が管理するサーバーにインストールして使えるタイプもあります。この場合は、データを見られる心配はありません。
クラウド型はGoogleからIP制限を受けるリスクが大きい
ちょっと誤解を呼ぶ見出しかもしれないので、詳しく説明します。
クラウド型というのは、あなただけでなく、多くのユーザーがキーワードを登録して利用します。つまり、一人で使うインストール型とは比べ物にならないくらい膨大な回数のチェック処理を行うことになります。
クラウド型が何台のサーバーを使っているかはサービスによりますが、限られた台数になり、IPアドレスも限られるはずです。なので、Googleへのアクセス元となるIPアドレスが、Googleから警戒されやすくなると思われます。Googleからアクセス拒否される可能性も出てきます。明らかに機械によるアクセスが大量に来たら、Googleとしてもサーバーリソースを食われるので困りますからね。
そんなことはクラウド型検索順位チェッカーを運営する業者も想定しているはずなので、アクセス拒否したら新しいIPアドレスを割り当てるなどして、アクセス拒否をかいくぐるでしょう。とはいえ、そうなると一時的に使えない時期が出てきてしまう可能性が出ます。
Googleが本腰を入れて対策したら、完全に使えなくなってしまう恐れもあります。
インストール型にそういうリスクがゼロであるわけではないです。でも、アクセス元のIPアドレスはそれぞれの端末なので分散されてるし、一人一人のチェック処理の回数は微々たるものなので、Googleから目をつけられるリスクは限定的です。
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検索順位チェッカーに求める機能の本質を見定めよう
最近、検索順位チェッカーのなかには、様々な機能を付加して巨大化しているものがあります。例えば、キーワード選定機能、検索ボリューム表示、AIによるライティング、などの機能です。
でも、そもそもなぜ検索順位チェッカーを使いたくなったか思い出してみましょう。
次の記事で説明したように、サイトを運営していくと、狙っている検索キーワードで何位になっているか、日々チェックする必要があります。

記事が増えていくと、そのキーワードの数がどんどん多くなってきて、手動でチェックしてたら膨大な時間がかかるからですよね。この作業って本当に人間じゃなくてもできる単純作業です。
確かにキーワード選定や検索ボリュームの確認も必須な作業ですが、これって別に毎日やる必要はなく、基本的に記事を書く時だけですよね。記事の投稿後は発生しない作業です。
そして、これらのために、ラッコキーワードやキーワードプランナーという無料で使えるツールがあります。
もちろん、一つのツールでまとめてできると便利なのでしょうが、そこにお金を払うほどですか?ということです。
検索順位チェッカーに求める最低限の機能に絞られていて値段も最低限なツールを選ぶのが私のおすすめです。
代表的なツール
最初にクラウド型からご紹介していきます。
Nobilista
クラウド型の代表的なサービスです。
2020年からIIP inc.という大阪のWEBマーケティング会社が運営しています。
料金表が月額なのか年額なのが記載されていないのが不親切ですが、月額での記載のようです。
Serposcope
こちらはクラウド型なのですが、自分が管理しているサーバーにインストールして使えることができるツールです。
オープンソースプロジェクトで、Githubによると10年ほど開発が継続されています。オープンソースなので無料で使えます。
https://github.com/serphacker/serposcope
私も、クラウド型のデメリットが無いのと無料であることに惹かれて、次の記事にあるように本格的に使おうとしました。しかし、エラーが頻発し断念しました。正常に動かせている人がいるかは不明です。

ここからインストール型を紹介していきます。
Ranktracker
MacにもWindowsにも対応しているインストール型のツールです。
2014年に頃からイギリスにルーツを持つ会社が開発しているようです。なので、日本語でのサポートには対応していません。
非常に多くの機能が付随しているツールです。
ドル建の料金なので、どんどん円安になっていく昨今辛いものがあります。
GRC
GRCはMacに公式には対応してないと前述しましたが、実は特殊な方法で使うことができます。MacでWindowsのアプリケーションを動かすことができるためです。
MacでWindwosのアプリケーションを動かすには二つ方法があります。
- MacにWindowsのVMを走らせる
- Wineを使う
VMというのは、Virtual Machin(仮想マシン)のことで、Mac上に仮想的に完全なWindowsを構築します。そこで、GRCを動かすことになります。
それに対して、WineというのはVMを構築しません。その代わり、MacからWindowsのAPIを呼べるようにします。つまりMacとWindowsは使われている言葉は当然違うのですが、翻訳して伝える役割をするということです。
VMの方がWindowsで動かしたような再現度の高さがあるのに対し、WineだとVMを動かさなくて良いのでマシンリソースの消費が少なくサクサク動きます。
また、VMだとVMを動かすツールにお金がかかったり(無料のものある)、Windows自体のライセンス料もかかります。そのあたりは以下で詳しく書いています。

Wineの場合は、無料で使えます。ただ、インストール方法でコマンドラインを使う必要があるので、慣れていない方には難しい可能性があります。詳しくは以下で説明しています。

でも一度インストールして動いてしまえば、サクサクと軽快に安定して動くので、Wineがおすすめです。私もWineでGRCを動かしています。
GoogleかYahooのどちらかがチェックできれば十分
対応している検索エンジンがツールごとに微妙に違いますが、やはり最大トラフィックを誇るのはGoogleです。
なので、Googleの検索順位さえわかれば十分です。
ちなみに、Yahooは内部的にGoogleのエンジンを利用しているので、ほとんどGoogleと同じ順位になります。
なので、GoogleかYahooをチェックできれば良いことになります。
残念ながら、Google側の仕様変更により、GRCは現在Googleがチェックできないようになっています。とりあえず、Yahooのチェックはできているので私は引き続き利用しています。早めに対応されることを願います。
とはいえ、他のツールもGoogleの仕様変更の影響を受けていないとは考えられません。 GRCの利用者が多いので話題になるだけで、他のツールもこっそりGoogleのチェックができなくなっている可能性もあるので、契約前に確認しましょう。
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結局はコスパ!1キーワードごとの価格比較
検索順位チェックツールの本質は、大量のキーワードのチェク処理だと前述しました。なので、この機能のコスパで選ぶのが賢い選び方です。
とはいえ、どの程度の規模で使うかでプラン、つまり金額は変わってきます。当方は現在1,300個程度のキーワード数をチェックしていますので、そのレベルで比較していきます。
登録できるURL数など微妙に違いますが、昔ながらの大量の無料ブログやペラサイトを作るアフィリエイターも減っていると思いますので、そんなに多くは必要はないはずです。なので、登録できるURL数での比較はしません。
ツール名 | キーワード数 | 年額(税込) | 1キーワードごとの額 | プラン |
---|---|---|---|---|
GRC | 5,000 | 9,900円 | 1.90円 | スタンダード |
Nobilista | 1,000 | 71,800円 | 71.88円 | ビジネス(1000) |
Ranktracker | 2,000 | 123,471円 | 62円 | QUAD DATA年払い |
※2025年8月28日時点の価格、為替をもとに作成
この表を見て頂ければ、もう結論は出ると思います。
GRCのコスパが圧倒的で、2位のRanktrackeの30分の1以下です。
色んなブログで、GRC以外のツールの様々な機能について宣伝されていますが、このコスパを見てしまえば、個人的にはそんな機能なんてどうでも良くなってしまいます。最低限の検索順位をチェックするという機能はGRCに十分ありますので。
さいごに
20年の伝統と1キーワードごとのコスパを考えればGRCが最有力候補になりますが、Wineの導入に手間取るかもしれません。先ほど紹介した記事に詳しくやり方をご説明していますが、もしわからないことがあれば質問いただければ個人的に無料でサポートします。それだけこの使い方が過小評価されていると考えているためです。
ちなみに、GRCは無料でもある程度使えるので、無料でWineで動かしてみて、ちゃんと動くようなら課金する、というのもありです。