赤嶺哲也さんの「誰でも8ステップで9割とれる!最強のセールストーク」を読んだので、勉強になった点を中心に要約し、感想をお伝えします。
もくじ
要約
商品力ではなく営業力で勝負する
プロからの見た目(判断)でお客様に適した商品やサービスを選んであげなければならない。
お客様が間違えた商品を購入して後悔することになったら、それは正しい商品を選ばせることができなかった営業マンに責任がある。
営業の役割とは、
- お客様の状況をしっかりと把握した上で、商品・業界のプロとして、お客様に「理想とする姿になってもらうため」「抱えている問題を解決してもらうため」の最適な手段をアドバイスする
- 最適な買い物ができるよう、お客様に商品を選んで差し上げる
本来あるべき営業方法とは、自分の商品のみ強引に売り込もうとするのではなく、「営業マンがプロとして、お客様が栄える術(方法)を一緒に選んで差し上げること」
なので、栄業選術と呼んでいる。
お客様から信頼されるために必要な3つのこと
- この人はよく知っている(有益な情報)
- この人は頼りになる(実績)
- この人は親身になってくれている(無理に売り込まず協力的)
高い営業力を発揮するための二つの鉄則
商談の目的地である「契約」に導くことができる最適な流れ(ルート)を構築することが重要。
- お客様との信頼関係が構築されるまでは、決してお客様の要望を確認してはいけない
- お客様が商品価値について正しい判断基準を持つまでは、決して、お客様に対し商品の説明をしてはいけない
RAJIUSE(C)の法則
法則名 | 営業の目的 | お客様の心理 |
---|---|---|
Relieve | 警戒心を解く | 安心する |
Attention | 注意を引く | 気になる |
Justice | 公平さで信用を得る | 信用する |
Ideal | 理想(目的・目標)を引き出す | 期待する |
Usage | 正しい使い方を認識させる | 興味を持つ |
Specialty | 商品の特徴を紹介する | (さらに)期待する |
Explanation | 商品の詳細を説明する | 納得する |
Confirmation | 意思を確認する | 整理する |
- 商品説明前までのトーク(フロントトーク)= RAJIU
- 商品説明のトーク = SE(C)
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Relieve 警戒心を解く
- 毅然とした態度で余裕を持った挨拶をする
- 商談のスケジュールを伝える
- 面談の目的を伝える
- お客様を安心させることができる実績を紹介する
- ラポール(親和関係)作りを行う
説明にどのくらいかかって、どんな流れかが気になり不安なので、解消してあげる。
売り込み目的ではなく、お手伝いするという姿勢であることを伝える。
ラポールでは、警戒心をつよめることなく、信頼関係を築きやすいもの
利用経験と他社比較が適している。
「このような商品を使ったことがありますか?」
「現在、他社さんもご覧になられていらっしゃいますか?」
とか。
Attention 注意を引く
お客様の注意を引く「見出し」を考え、「話の先を聞きたい」と思わせてから話をする。
営業マンが話したい!話す必要がある!と思っているのに対し、
お客様は聞きたくない!要点だけでいい!と思ってるから。
多くの営業マンが話していることと逆のことを話すのが効果的。
「実は、英会話って、レッスンをただ数多く受けても上達するわけではないんですよね」
とか。
自社商品のメリットを伝えて興味をひきつけようとしてはダメ。
Justice 公平さで信用を得る
- 業界全体として抱えているデメリットを打ち明ける
- 1の事実を証明できる客観的なデータを資料として提示する
- デメリットをもらした原因を伝える
- デメリットを回避するための情報をプロとしてアドバイスする
4では、自社商品で対応できるような内容にするが、あからさまに自社商品をアピールしない。
Ideal 理想(目的・目標)を引き出す
- どのような状態になりたいと考えているのか?【理想の姿(目的・目標)を確認】
- なぜそのような状態になりたいと思っているのか?【問題点・悩みを確認】
- 誰がそのようになりたいと考えているのか?【購入者・使用者・決裁者を確認】
- いつまでにその目標を達成したいと考えているのか?【目標達成の希望期限を確認】
理想を問題点よりも先に聞く理由は
- 十分な情報が得られにくくなる
- 高額な商品を選びにくくなる
から。
3と4は商談終盤での断り文句に備えておくため。
予算は聞かない。あえて低い金額を言ってくるから。魅力を伝えられば金額はあげることができる。
Usage 正しい使い方を認識させる
- 商品の特長をいくつかあげる
- 1であげたそれぞれの特長を活用し、成功したお客様の事例、お客様から頂いた喜びの声を伝える
「使い方」というよりも「成功事例」といったほうがいいかもしれない。
商品の詳しい説明をうけていない状態だからこそ、不要に身構えることなく素直に聞くことができる。
事例は具体的にしないと、ただの商品の自慢話になってしまう。
Specialty 商品の特徴を紹介する
商品の特徴のなかから特に「そのお客様が興味を示しそうな部分」を選んで簡潔に伝えてあげる。
Attentionのように、興味を持ってもらうための見出しを意識する。次のEが本文となる。
例えば、
「今、他のお客様の事例をご紹介させていただきましたけれども、そのようにさまざまなお客様に成果をお出しいただいているのが、私どものこの商品なんですね。(商品や商品資料そ指して)その商品の特徴としましては・・・」
という感じ。
絶対にメリットという言葉は使わない。特徴という言葉を使う。
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Explanation 商品の詳細を説明する
- 商品価値の判断
- 基準がわかるようにメリットを伝える
- 商品の効果を最大限に発揮する使用方法を説明する
- お客様が感じる不安要素を先回りして解消する
- ドキュメンタリー番組効果を活用する
- 商品価値の判断基準を伝えたあとに、金額の高い商品から見せる
1では業界標準と比べるなど、「対比の法則」を使う。そのメリットを出せる理由も説明することで納得感がある。
デメリットも紹介する。ただし、デメリットを回避する方法も教える。
デメリットの紹介は「両面提示」といい、誠実な印象を高める。
2は商品にはどのような機能や性能があって、どのように使えばUsageで紹介したような成果が出せるのかを紹介する。
3では、お客様が不安を口にしてから解消するのではもう遅い。購入させるための説得に見えてしまう。
5では、金額を提示するのは、必ずお客様が商品に魅力を感じてからにする。そうでないと「たったこれだけのものに、こんなにお金を払わなきゃいけないのか」と思ってしまう。
金額を提示する際は、
- お客様に商品の付加価値を理解してもらう
- その上で金額の高い商品から見せる
を意識する。
Confirmation 意思を確認する
- これまでの説明で、何か不明な点や質問がないかを確認する
- お客様が興味を持った商品はどれか、また、その商品のどの部分(商品機能)に興味を持ったかを確認する
- 商品や機能に興味を持った理由を確認する
- 購入(契約)までの手続きの流れを説明する
- お客様の購入(契約)の意思を確認する
お客様の口から、どの商品が役にたつか、それはなぜかという商品の選定理由をしっかり語ってもらうことによって、ニーズを把握できる。また、社会心理学でいるコミットメントの効果が出て、成約率が上がる。さらに上司などの決裁者への説明もスムーズになる。
5では、改めてお客様の目標を再確認してもらい、どの機能がそれに役立つかを伝え、購入のためにしてもらうことを端的に伝える。「もしご利用いただく場合は、こちらの契約書をご提出いただくだけとなりますが。」のように「だけ」という言葉を使い、できる限り負担が小さいと思ってもらうのが大事。
感想
なるべく売り込みにならないようにするというのは、孫子の「迂直の計」を思い出させた。こちらの本当の目的を悟られないようにして進めるのが大事だなと感じた。
最初は商品のことはふせていて、大きな話をしていくというのは、アフィリエイトでいう関連キーワードを狙っているというのに似ていると思った。
終盤の商品に近い部分の内容は、アフィリエイトでいる「商品名 口コミ」といったキーワードに対応するような内容だと感じた。
そういう意味では、アフィリエイトにおいても大事なマーケティングという活動が、セールスでもやはり大事であることがわかった。
ちなみに、孫子については、次の2冊が参考になった。
要約も書きました。

